周囲の音を遮断せずに使えることから、作業中や仕事中のイヤホンとして人気の片耳イヤホン。Bluetoothを利用したワイヤレスタイプが主流で、1万円以上の高価なものから、2,000円程度の安価なものまで、多くの商品が販売されています。さらに、高音質な通話ができるもの・耳掛け付きでインカムとして使えるものなど商品によって特徴はさまざま。どれを選ぶか迷ってしまいますよね。
今回は、各メーカーの最新商品や売れ筋上位から人気の片耳イヤホン12商品を集め、9個のポイントで比較して徹底検証。選び方とともに、おすすめの片耳イヤホンをランキング形式でご紹介します。マイベストが定義するベストな片耳イヤホンは「騒音下でも音声がクリアに聞こえ、1日中ストレスなく使い続けられる商品」。徹底検証してわかった片耳イヤホンの本当の選び方も解説しますので、ぜひ購入の際の参考にしてください。
マイベストではベストな片耳イヤホンを「騒音下でも音声がクリアに聞こえ、1日中ストレスなく使い続けられる商品」と定義。ベストな商品を探すために、人気メーカーの最新商品やAmazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングなどで売れ筋上位の片耳イヤホン12商品を集め、以下の9個のポイントで徹底検証しました。検証①:声の届けやすさ検証②:騒音下での声の届けやすさ検証③:声の聞き取りやすさ検証④:声の大きさ検証⑤:つけ心地のよさ検証⑥:バッテリー性能の高さ検証⑦:使いやすさ検証⑧:作業中の外れにくさ検証⑨:防水性能の高さ
おすすめスコア:4.49(2025/12/25時点)
最安価格:2,299円(2025/12/25時点)
外れにくく、長時間使用する人におすすめ!コスパも十分
WOWUPの「Bluetooth ヘッドセット」は、長時間使用できて外れにくい片耳イヤホンを求める人におすすめ。耳掛け式のヘッドセット型であるうえ、イヤーピースを耳穴に差し込むカナル型なので密着感が高め。実際に装着したモニターからは「作業中も外れる心配がない」と好評です。一部、耳の穴に違和感を覚えた人はいますが、重量感やカナル型イヤホンにありがちな圧迫感は気になりませんでした。連続使用時間は15時間と、バッテリー性能も優秀。さらに、ケース込みでは最長50時間使用可能です。応答や通話などのボタンがあり、基本操作は本体のみでできます。ミュート機能つきで利便性も高めですが、防水性能はないため濡らさないように注意しましょう。マイクの性能もよく、声は非常に大きくクリアに相手に届きます。ノイズを拾いづらく、早口や小声でも問題なく会話できるでしょう。また、電車音に声がかき消されなかった点も高ポイント。線路脇でも会話は可能です。しかし、風が吹くと「ボコボコ」というノイズに声がかき消されてしまいました。相手の声は男女ともに中~高音域が強調されており、ハキハキとした印象。明るく聞こえて、会話が楽しくなるでしょう。声の大きさも平均66.8dBと十分に出ていました。強風時以外は会話に困ることはなく、長時間使用できるのが強み。外れにくいので、作業中にずっと音楽を聴きたい人にもぴったりです。価格は2,000円台に抑えられているので、コスパ重視の人も選択肢に入れてみてください。
おすすめスコア:4.48(2025/12/25時点)
最安価格:2,499円(2025/12/25時点)
予算を抑えたい人に。使いやすく、ノイキャン性能も高い
Boytondの「イヤホンマイク」は、コスパ重視の人にぴったり。2,000円台と手が届きやすい価格でありながら、優れた音質とノイズキャンセリング性能を誇ります。検証では、電車のノイズを見事に低減しました。その分声も小さくなりますが、音質はクリアで会話には困りません。しかし、風切り音を流すと低音の「ザー」という音が小さく入り、会話が難しくなりました。強風時の使用には向きませんが、線路脇や工事現場など騒音が大きい場所でも使えるのはメリット。全体的にクリアでハッキリと声を届けられて、変に甲高かったり雑味が入ったりすることもありませんでした。相手の声の大きさは、平均73.1dBと十分なボリューム。スピーカーの音質は中~高音域が弱いせいかややぼやけ、壁越しに話しているような曇った印象を受けますが、会話は問題なく進められました。使い勝手は非常によく、応答/終了・通話・音量調節・リダイヤルはイヤホン本体で操作が可能。ミュートやAIアシスタント機能も搭載しています。また、汗や水滴程度なら耐えられるIPX4の防水性能も装備。イヤホン単体の連続再生時間は12時間と長めで、ケース込みで約70時間使用できるのも高ポイントです。ヘッドセット型で大きめのつくりですが、重量感の少ないつけ心地も魅力。「肌に触れていないような感覚」「耳になにか乗っているという違和感がある」と個人差はありますが、使うのが億劫になるほどの重さはないでしょう。フィット感も高く、作業中や階段の昇降時に外れる気配はほとんどありませんでした。声の聞き取りやすさには若干物足りなさを感じるかもしれませんが、同価格帯の製品と比べると十分に優秀な性能。手頃な価格で高品質な片耳イヤホンを探している人は、ぜひ検討してください。
おすすめスコア:4.46(2025/12/25時点)
最安価格:12,328円(2025/12/25時点)
外れにくさ重視の人に。密着感が高く、マイク性能も優秀
Polyの「片耳ワイヤレスヘッドセット」は、とにかく外れにくいものがほしい人におすすめです。耳掛け式かつカナル型で耳にしっかり密着させられるのがメリット。商品を試したモニターからは「階段の上り下りや作業中も外れる心配がない」との声が寄せられました。イヤーフックが柔らかいため痛みや重さも気になりにくく、装着中も違和感なく過ごせるでしょう。マイクの性能も優秀。声が明るく大きく聞こえ、雑音も抑えられています。若干甲高い印象を受けますが、自分の声をハッキリと相手に届けられました。電車のノイズや風切り音をしっかり低減でき、騒音下でも会話が可能。声のボリュームがやや下がり、一部途切れ途切れになった場面はありますが、うるさい場所でも使えて幅広く活躍するでしょう。相手の声は、男性・女性ともに中~高音域がかなり強調されハキハキと明るめな声質。非常にクリアで、声の大きさも平均69.1dBと十分に出ていました。会話はスムーズに進むでしょう。応答/終了・通話・音量調節などのボタンがイヤホン本体にあるため、操作のたびにスマホを取り出す必要はなし。応答ボタンと音量ボタンは別の面にあり、押し間違えることも少ないでしょう。IPX4の防水性能を備えているため、小雨程度なら気にせず使えるのもうれしい点。しかし、連続再生時間は7時間と、バッテリー性能はあまり高くありません。日中の間バッテリーが持てば問題なく、引っ越しや宅配時、ランニング時などよく動くシーンで使いたい人はぜひチェックしてください。
おすすめスコア:4.37(2025/12/25時点)
最安価格:8,618円(2025/12/25時点)
音楽も楽しみたい人に。音質がよく、圧迫感のないつけ心地
JVCケンウッドの「KENWOOD ワイヤレスヘッドセット KH-M700」は、片耳イヤホンで音楽も楽しみたい人におすすめ。同社の「KH-M500」より子音がハキハキと聞こえました。ボリュームも平均70.1dBと十分に出ていたので、会話はもちろん音楽を聴くのがメインの人にもよいでしょう。マイク性能も悪くありません。「ザーザー」という高めのノイズはかすかに入りましたが、声はクリア。早口でも相手にしっかり伝わります。 騒音下での声の届けやすさの検証では、電車の音だけを抑えて声は雑味なく聞こえたものの、風切り音を流すと掃除機のような音に声がかき消されました。強風時は場所を移すことをおすすめします。装着時は痛みや違和感が少なく、つけ心地のよさは高評価を獲得しました。ヘッドセット型で少し重さがあるように見えますが、モニターからは「重さが分散されてつけ心地が軽い」との声が。イヤーフックが細めで圧迫感もほとんどありません。フィット感が高く、階段の上り下り程度なら外れる心配も少ないでしょう。使いやすさも申し分なし。応答/終了や通話・音量調節など各種ボタンが分かれているうえ、立体的で押しやすいつくりです。マルチポイントやミュート機能つきで利便性がよく、IPX4の防水性能も備えています。一方、バッテリー性能はいまひとつ。連続再生時間は公称値の7時間とほぼズレはなく、約6時間24分と短めでした。1日中使用したい人には向きませんが、音質はよいため、会話だけでなく音楽を聴くことも多いならぜひ検討してみてください。
おすすめスコア:4.37(2025/12/25時点)
最安価格:6,630円(2025/12/25時点)
騒音下での通話におすすめ。音が大きく、声が聞こえやすい
JVCケンウッドの「KENWOOD ワイヤレスヘッドセット KH-M500」は、工事現場のようなとにかくうるさい環境で使う人におすすめ。声の大きさは平均74.8dBと、トップクラスの大きさでした。声はハキハキとしていて聞き取りやすい印象です。マイクの音質は同社の「KH-M700」と同様、ザーザーというノイズがかすかに聞こえますが、クリアで相手にきちんと声を届けられます。電車音の騒音下では、電車のノイズはあるものの声は十分に聞き取れました。一方、「ウィーン」という風切り音にはかき消されてしまうため、強風時の使用はおすすめできません。一方、つけ心地はよく、実際に使用したモニターから「軽くて耳への負担が少ない」「イヤーフックが針金のように細く装着感が少ない」と高い支持を獲得。イヤーキャップのフィット感が強く、階段の上り下りや散歩程度なら外れる心配は少ないといえます。応答/終了や通話・リダイヤルなど細かくボタンが分かれており、使いやすさも高評価。2台の機器を同時につなぐマルチポイントや音声によるAIアシスタントなど、機能面も充実しています。IPX4の防水性能も搭載。しかし、連続再生時間は7時間と物足りず、バッテリー性能が高いとはいえません。1日中つけたまま作業したい人には向きませんが、最大ボリュームが大きいのは強み。工事現場などで通話する機会が多いなら要チェックです。
おすすめスコア:4.35(2025/12/25時点)
最安価格:3,280円(2025/12/25時点)
丸1日連続使用が可能。充電の手間がかからず、音質も良好
Glazataの「ワイヤレスヘッドセット EC300N ブラック」は、充電の手間を減らしたいなら選択肢のひとつになります。イヤホン単体の連続再生時間は24時間と、驚異のスタミナ。さらに、基本的な操作ボタンが本体に搭載されており、操作も簡単です。ミュートボタンがあり利便性もよいものの、防水性能はないため雨天時の使用は避けましょう。相手の声は輪郭もくっきりしており、難なく聞き取れました。男性・女性のどちらの声もハキハキとした印象を受けるでしょう。大きさも平均68.1dBと適度なボリュームです。マイクは短めですが性能は上々。明るく大きな声で相手にしっかりと届きます。電車の音は低減されたため、線路脇でも会話は可能。しかし、声自体のボリュームも抑えられており、小声での会話は困難です。また、風が吹くとドライヤーのようなキーンとした音が鳴り、声がかき消されてしまいました。つけ心地は、イヤーフックの硬さが気になる人はいたものの、痛みを感じた人は少数です。フィット感も悪くありませんが、移動時にやや浮いている感覚があったモニターもおり、一部からは「階段の上り下りで外れそうになった」との声があがりました。屋外や作業中だと使いづらい可能性がありますが、デスクワークなら問題なし。同社の「EC200」より価格は高いものの音質は優れています。1日使えるロングバッテリーで、BGMとして音楽を聴きたい人にもぴったりです。
おすすめスコア:4.33(2025/12/25時点)
最安価格:5,182円(2025/12/25時点)
どんな耳にも合わせやすい。音質がよく会話がスムーズ
サンワサプライの「ヘッドセット MMBTMH68BK」は、イヤホンを購入する際、サイズが合うものがなくて悩んでいる人におすすめ。3サイズのイヤーピースつきで、自分の耳に合わせやすいのがメリットです。実際に試したモニターからも「イヤーピースをSサイズに変えたら、圧迫感や痛みがなかった」との声が挙がりました。なかには、ヘッドセット部を固定するためのイヤーフックがやや太くフィットしにくかった人も。とはいえ耳上部と耳の穴でしっかり固定されており、作業中に落ちることは少ないでしょう。応答/終了や通話・音量調節など基本的な操作ボタンを搭載しているうえ、ボタンは立体的で押しやすいつくり。マルチポイント機能つきで、スマホやパソコンに同時接続できます。連続再生時間は12時間。長時間使用できるので、通話だけでなく仕事中にBGMを流したい人にもぴったりです。ただし、防水性能がない点は留意しておきましょう。かすかにノイズが入っていましたが声はハッキリとした印象で、声は届きやすいといえます。子音がシャキシャキと聞こえたので、早口でも問題なく相手に伝わるでしょう。騒音下では、電車の音のみを低減し声はクリアに聞こえました。しかし、風切り音では声がかき消されて会話は不可能。強風時は屋内に入るなど配慮が必要です。防水性以外の大きな欠点はなく、自分の耳に合わせやすいので、普通のイヤホンでサイズが合わないと悩んでいる人はぜひ検討してください。
おすすめスコア:4.22(2025/12/25時点)
最安価格:2,690円(2025/12/25時点)
2,000円台で買えて、バッテリー持ちはトップクラス
Lazataテクノロジーの「Glazata Bluetooth ヘッドセット EC200」は、低価格でバッテリー持ちがよい片耳イヤホン。連続通話時間が20時間と頼りになるバッテリー性能で、通話・音量調節などの基本的なボタンや、音声によるAIアシスタント機能つきで使いやすさも良好。防水性能はないので、雨天時は屋外での使用を避けてくださいね。軽量かつコンパクトな設計も魅力。モニターからは「ほとんど重量感がなかった」と好評でした。イヤーフックで固定するヘッドセット型で密着感は上々。作業中に外れる心配はあまりありませんが、フックの硬さに違和感を覚えた人もいたため、はじめは短時間の装着がおすすめです。マイクを通した声はハッキリ大きく届けられ、輪郭もしっかりしています。ややクリアさには欠けますが、マイクの性能は悪くありません。しかし、ノイズ低減力はいまひとつで、電車のノイズを流すと会話が途切れ途切れに。また、風切り音を流すと人の声はかき消されてしまいました。線路脇や工事現場では会話がスムーズにいかないでしょう。声の大きさも平均72.1dBと十分ですが、少し声質がガサガサしており、同社の「EC300N」に比べると音質は劣ります。とはいえ、2,000円台という安さを思えば検討の余地あり。充電の手間を減らしたい人や、コンパクトでスタイリッシュなヘッドセット型イヤホンがほしい人は検討してみてください。
おすすめスコア:4.05(2025/11/21時点)
マイクが耳後ろにあるため目立ちにくい。マイク性能には懸念
ゲオの「ハンズフリーイヤホンマイク カナル型 GRND-HFEM100F900」は、耳後ろにマイクがあるため、イヤホンを装着しているのが目立ちにくい点がメリット。対面対応が多い人にはうれしいポイントです。しっかりフィットするぶん耳への負担が少なく、つけ心地は良好。なかには、耳裏や上部にわずかに痛みを感じたモニターもいますが「圧迫感は気にならなかった」というコメントが大半を占めました。階段を昇り降りしてもヘッドセット部のズレはほとんど気になりません。連続再生時間は15時間と、バッテリー性能は高め。万が一、残業が入っても充電切れのリスクは低めでしょう。通話や応答ボタンが本体にあるため、操作も楽々。ただし、充電方法がmicroUSBである点は留意しておきましょう。また、防水性能はないため、雨天時の使用は避けるのが無難です。会話をする相手の声は、若干雑味があり割れたような音質だったものの問題なく聞き取れました。声のボリュームも平均73.4dBと十分です。しかし、マイクで通した音声は声の芯がボリューム大きく聞こえるものの、子音がハッキリせず、早口や滑舌が悪い人は相手に聞き返されるかもしれません。また、電車のノイズや風切り音に声がかき消されたため、騒音下での会話も困難。マイクやノイズ低減の性能より、目立ちにくさ重視なら選択肢に入れてもよいでしょう。
おすすめスコア:4.0(2025/12/25時点)
最安価格:3,113円(2025/12/25時点)
フックが細くメガネに干渉しにくいが、騒音下での会話は困難
エレコムの「Bluetooth ハンズフリーヘッドセット LBT-HSC20MPBK」は、イヤーフックがかなり細いため、メガネやヘルメットに干渉しにくいのがメリットです。重さも11gと非常に軽く、実際に装着したモニターからも「違和感ゼロで耳に意識がいかない」という声が。しっかりとフックが耳に引っ掛かるためフィット感も高く、階段昇降時も外れる心配はほとんどありません。声の聞き取りやすさの検証では、耳元で話しかけているような自然な声質が印象的。声の大きさも平均73.8dBと十分に出ていました。自分の声はハッキリと相手に伝わり、早口でもスムーズなコミュニケーションが可能。ただし、声が入るタイミングで「ザザー」と小さな音が入ることがあったのは気になるところです。また、電車のノイズはほとんど抑えられておらず、騒音下でのマイクの性能には懸念があります。風切り音を流すと「ゴロゴロ」と音が鳴り、思わずイヤホンを外したくなるほどでした。応答/終了・音量調節はイヤホン本体でできますが、通話ボタンやマルチポイント・ミュート機能がなく、使いやすさは上位商品にはおよばず。防水性能も備えていません。また、連続再生時間は6時間でした。こまめな充電が必要で騒音下では会話も困難ですが、メガネやマスク・ヘルメットと併用するなら候補のひとつになります。
ガイド:原豪士(Goshi Hara)(元オーディオ専門販売員/マイベストオーディオ・ビジュアル機器担当)


