株式や暗号資産(仮想通貨)の取引アプリを提供する米ロビンフッド(Robinhood)のCEOであるヴラド・テネフ(Vlad Tenev)氏が、米国で審議が進む暗号資産市場構造法案について、上院での成立を後押しする考えをXにて1月15日に表明した。
テネフ氏は、業界内で意見の分裂が生じ、審議が一時停滞する中でも、米国が暗号資産政策で主導権を取るべきだと訴えた。
テネフ氏は投稿にて、ロビンフッド上ではステーキングや株式トークンへの需要が高い一方、規制の不透明さにより、米国内の一部地域では提供が制限、もしくは不可能になっていると指摘。現在の規制を巡る膠着状況により、米国では4州の顧客に対していまだステーキングが提供されていないという。また、株式トークンについてはEUの顧客には提供されているものの、米国市場では提供されていないと述べた。
同氏は、「暗号資産政策において米国がリードする時がきた」とし、「私たちは議会による市場構造法案の成立を支持する。まだ課題はあるが、前進の道筋は見えており、上院銀行委員会と共和党を支援する用意がある」と述べている。
この包括的な法案は、暗号資産に関する明確な規制枠組みの構築を目的としており、米証券取引委員会(SEC)と米商品先物取引委員会(CFTC)の監督権限の整理や、ステーブルコイン、トークン化資産、DeFi(分散型金融)といった分野を対象にしている。
上院銀行委員会は当初、同法案のマークアップを1月15日に予定していたが、1月14日に延期が決定され、新たな日程は発表されていない。上院農業委員会でも、審査は1月下旬に延期されている。
こうした動きの背景には、暗号資産業界内での支持の分裂がある。米大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase)のCEOであるブライアン・アームストロング(Brian Armstrong)氏は1月15日、同法案への支持を撤回した。
アームストロング氏は、最新の法案草案の、トークン化株式の事実上の禁止、DeFiへの制限、ステーブルコイン報酬の規制、SECに過度な権限を与えている点などを問題視している。
また、暗号資産メディア「ザ・ブロック(The Block)」の報道によれば、コインベースは現行案が顧客の利益にかなわないと判断したものの、課題は修正可能であり、次回のマークアップに向けて協議を再開する意向であることを関係者が明かしたという。
一方で、他の業界関係者は引き続き前向きな姿勢を示している。リップル社(Ripple)のCEOであるブラッド・ガールングハウス(Brad Garlinghouse)氏は、「市場構造に関する今回の動きは、消費者保護を維持しつつ、暗号資産に実行可能な枠組みを提供する大きな前進だ」と述べ、議論を通じた解決にコミットする考えを示している。
このほかにも、アンドリーセン・ホロウィッツ(a16z)、サークル(Circle)、クラーケン(Kraken)、デジタル・チェンバー(Digital Chamber)、コインセンター(Coin Center)などがこの法案の支持を表明している。
なお、下院では関連法案がすでに昨年7月に可決されている。今後、上院の各委員会での法案が一本化され、上院本会議で可決された後、下院案との調整を経て最終案がまとまれば、ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領の署名を経て成立することになる。
参考:The Block
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