野村ホールディングスのデジタル資産子会社であるレーザー・デジタルは22日、ビットコインを保有しつつ、デリバティブや市場中立型戦略による追加的な収益獲得を目指す機関投資家向けファンド「Bitcoin Diversified Yield Fund SP(BDYF)」を立ち上げたと発表した。
本ファンドは、ビットコイン
BTCの価格上昇によるリターンを基軸としつつ、裁定取引やレンディング、オプション取引といった市場中立的な手法を組み合わせる点に特徴がある。価格動向に左右されにくい収益源を活用することで、さまざまな市場環境において、ビットコインのパフォーマンスに対して年率5%以上の超過リターン獲得を目標としている。
レーザー・デジタルによれば、同様の運用手法は既存ファンドですでに実践されており、市況が厳しかった2025年に6.60%の純利益(未監査)を記録したという。今回のBDYFでは、こうした運用実績をビットコイン特化型戦略として展開する。
本ファンドは、2023年に開始された「Bitcoin Adoption Fund」の発展形と位置付けられる。ビットコイン市場の流動性やインフラ整備が進む中、単純な長期保有を超え、資本効率の向上を求める機関投資家の需要を背景に設計された。
技術面では、Web3インフラ「KAIO」を採用し、ファンド持分そのものをブロックチェーン上で直接発行する「ネイティブ・トークン化」を採用した点が特徴だ。従来のトークン化ファンドでは、特別目的事業体(SPV)などの中間構造を介するケースが一般的だったが、本ファンドではそうした仕組みを使わず、投資家はファンド持分をオンチェーンで直接保有できる。これにより、決済の迅速化や、持分構造の可視性向上が図られている。
資産の保管については、野村グループ傘下のデジタル資産カストディ企業コマイヌが担当する。利回り獲得を目的としながらも、資産の安全性を重視した機関投資家水準の管理体制が採られている。運用主体は、ドバイの暗号資産規制当局VARAの認可を受けた「Laser Digital Middle East FZE」が務める。
野村HD傘下という圧倒的な信用力と、コマイヌによる厳格なカストディ体制は、FTX崩壊以降、安全性に慎重な機関投資家にとって大きな安心材料となる 。伝統的金融(TradFi)のリスク管理がDeFi領域に持ち込まれることで、ビットコインが単なる投機対象から、ポートフォリオの中核資産として定着する重要な契機になる可能性がある。
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