ブラジル下院経済開発委員会の報告者ルイス・ガスタオン下院議員は9日、エロス・ビオンディーニ下院議員が提案した法案4501号の修正案を提出し、承認を推奨した。同法案は5年間で最低100万ビットコイン(約10.4兆円)を購入する「ビットコイン主権戦略準備金(RESBit)」の創設を目指している。
法案は2024年11月25日に提出され、現在は修正案への意見募集期間中だ。
修正案は、ブラジル政府が最低100万BTCを段階的に購入すると規定する。執筆時点の
BTC価格約6万8,000ドルで換算すると総額約680億ドル(約10.4兆円)に達し、ビットコイン総供給量2,100万枚の約4.8%を占めることになる。資金調達は計画的購入に加え、司法当局が押収したビットコインの売却を禁止し準備金へ編入すること、連邦税のビットコイン納税受け入れ、国営企業によるマイニング奨励を含む。
一時的にビットコイン現物ETFの保有も許可した。
準備金の管理はブラジル財務省が担当し、コールドウォレットとマルチシグで安全性を確保する方針だ。準備金残高はインターネットで公開され、定期的な準備金証明を通じて透明性を担保する。
修正案は税制面で画期的な優遇措置を導入している。ビットコインおよび暗号資産の売買で得た利益に対するキャピタルゲイン税を、金額制限なく全額免除する内容だ。現行制度では一定額以上の利益に課税されていたが、これを撤廃し投資家の負担を軽減する狙いがある。
全ての連邦税、罰金、手数料をビットコインで納付できるよう法制化した。
連邦歳入庁は法施行後12か月以内にビットコイン納税のインフラを整備する義務を負う。納税時のビットコイン価格は市場価格を基準とする。また、過度な暗号資産報告義務を定めた連邦歳入庁規則1888号(2019年)を廃止し、規制を緩和する。
修正案はユーザー権利の保護も明文化した。個人が仲介者なしでビットコインを自己管理する権利、自由に送金・移転する権利、取引のプライバシーを保護する権利を法的に保証している。
ガスタオン議員は報告書で「ビットコインは資産保全、決済手段、戦略的技術として重要性を増している」と述べた。
法案の成立には、経済開発委員会での投票と、その後の科学技術委員会、財政委員会、憲法司法委員会での審議、最終的に本会議での承認が必要となる。可決されれば、ブラジルは世界最大級のビットコイン保有国となり、暗号資産の国家戦略化で先進事例を示すことになる。
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※価格は執筆時点でのレート換算(1ドル=152.7円、1BTC=約6万8,000ドル)

