この記事の要点
仮想通貨取引所Binance(バイナンス)の創業者チャンポン・ジャオ(CZ)氏は2026年2月15日、自身のX(Twitter)への投稿で「仮想通貨決済の普及にはプライバシーの欠如が課題になっている」との見解を示しました。
同氏は、企業がオンチェーンで従業員へ給与を支払うと、送金元アドレスを手掛かりに支払額が第三者にも見えてしまう点を問題視しています。
そのうえで「(欠けているのは)プライバシーかもしれない」と述べ、企業が仮想通貨で給与を支払う場合、社内の報酬水準が外部から推測され得る状況を具体例として示しました。
取引の透明性はブロックチェーンの特性である一方、企業活動では報酬水準や支払い構造が読み取られかねず、CZ氏は、こうした可視化が導入判断の障壁になっているとの認識を示しています。
2026年のトレンドは「プライバシー」が鍵?
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ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)に代表されるパブリックブロックチェーンでは、すべての取引情報が公開台帳に記録されます。
送信元アドレスや受信先アドレス、送金額は誰でも確認でき、この透明性が不正防止や検証可能性を支えています。一方で、その仕組みが企業利用の場面では逆に制約として作用する可能性があります。
CZ氏が挙げた給与支払いの例では、企業が従業員へ仮想通貨(暗号資産)を直接送金した場合、アドレスの紐づけによって報酬水準が外部から推測され得る構造にあります。
その結果、競争上の機密情報や組織構造が外部から読み取られる懸念が生じるほか、高額保有が可視化されることによる物理的リスクも指摘されています。
こうした背景から、決済速度や手数料の優位性だけでは企業の本格導入は進みにくいとされ、透明性と機密性をいかに両立させるかが実用化に向けた課題となっています。
この課題に対しては、送金情報を秘匿する設計を持つ仮想通貨や、ゼロ知識証明などの暗号技術を活用するアプローチが議論されています。
その一例として、モネロ(Monero/XMR)はリング署名やステルスアドレスを用いて取引の追跡性を低減する仕組みを採用しています。ただし、プライバシー機能の強化は各国のマネーロンダリング対策との関係で規制上の課題も抱えています。
また、ビットコインのレイヤー2技術であるLightning Network(ライトニングネットワーク)は、オフチェーンで決済を処理することで一定の秘匿性を高める仕組みを備えていますが、完全な匿名性を実現する設計ではありません。
こうした技術的な選択肢と各国の規制対応をどう整合させていくかが、今後の焦点になるとみられています。
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CZ氏の投稿には業界関係者から賛同の声が上がっています。
仮想通貨運用会社グレースケール・インベストメンツを傘下に持つデジタル・カレンシー・グループのバリー・シルバート氏も、CZ氏の見解に支持を示しました。
近年は伝統金融と仮想通貨の接続を図る取り組みが進み、企業によるステーブルコイン決済やブロックチェーン活用の動きも広がっています。その一方で、取引情報の公開範囲をどこまで許容するのかという課題は依然として残っています。
企業や機関投資家が仮想通貨決済を本格的に採用するには、透明性の確保とプライバシー保護をどう両立させるかが引き続き問われます。
オンチェーンの公開範囲を巡る議論は、仮想通貨決済の実装を進めるうえで重要な検討事項となっています。
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Source:CZ氏X投稿
サムネイル:AIによる生成画像
