米資産運用会社ProShares(プロシェアーズ)は、米国法に基づきドル連動型ステーブルコインの準備資産として適格となる資産のみを保有するマネーマーケット型ETF(上場投資信託)「ProShares GENIUS Money Market ETF(プロシェアーズ・ジーニアス・マネー・マーケットETF:IQMM)」をローンチした。GENIUS(ジーニアス)法に準拠した設計のETFとしては初めての事例となる。

GENIUS法に準拠した構造

ジーニアス法は昨年7月に成立し、ステーブルコイン発行体に対して、発行トークンを1対1で安全かつ流動性の高い資産で裏付けることを義務付けている。準備資産として認められるのは、主に満期93日以内の米国財務省短期証券(Tビル)など、極めて流動性の高い商品に限定されている。

IQMMはこの要件に合わせ、現金および短期の米国政府証券のみでポートフォリオを構成する。満期をおおむね3カ月以内に抑えることで、市場が不安定な局面でも長期債を損失覚悟で売却することなく、日々の償還請求に対応できる体制を整える狙いがある。

拡大するステーブルコイン市場

現在、ステーブルコインの流通総額は約3000億ドル(約46兆5000億円、1ドル=155円換算)に迫る規模となっており、Tether(テザー)のUSDTやCircle(サークル)のUSDコイン(USDC)が市場を牽引している。ただし政策当局やアナリストは、今後数年でこの規模が大幅に拡大する可能性を指摘している。

米財務長官Scott Bessent(スコット・ベッセント)氏は、2028年までに市場規模が2兆ドルを超える可能性に言及し、その後2030年までに最大3兆ドルに達するとの見通しも示している。ウォール街の予測も強気で、Citi(シティ)は2030年時点でのベースケース(最も可能性が高いシナリオ)を1兆9000億ドル、強気シナリオでは4兆ドルと想定。制度整備の進展や機関投資家の参入拡大が背景にあるという。

一方、Standard Chartered(スタンダードチャータード)は、10年末までに約2兆ドル規模に拡大すると予測し、2028年までに最大5000億ドルが米銀行預金からステーブルコインへ移行する可能性があると警告している。

準備資産の受け皿としてのETF

こうした成長予測を背景に、IQMMはステーブルコイン発行体にとって、法令に適合した準備資産の効率的な運用手段となり得る。流動性と安全性を重視した構成は、規制下での安定的な裏付け資産確保というニーズに応えるものだ。

ステーブルコインが金融インフラの一部として存在感を高めるなか、準備資産市場にも新たな投資商品が登場した格好だ。

|文・編集:Shoko Galaviz
|画像:Shutterstock

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